入社手続きはAIで自動化できる!必要書類から案内メールまで効率化する5つの方法

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毎月のように発生する入社手続きは、新入社員を迎える重要な業務である一方、煩雑で工数のかかる作業でもあります。必要書類の準備や確認作業は定型的ながらミスが許されず、多忙な人事担当者にとって大きな負担です。こうした定型業務は、AI(ChatGPT)を活用することで驚くほど効率化できることをご存じですか。 本記事では、入社手続きの基本的な流れと必要書類を網羅的に解説するとともに、今日からすぐに試せるAI活用術まで、人事のプロフェッショナルが分かりやすくご紹介します。

【この記事でわかること】

POINT
  • 生成 AI(ChatGPT)で自動化できる3つの具体的な入社手続き業務
  • コピペするだけで使える、入社手続きを効率化するプロンプト集

【チェックリスト付】入社手続きの全体像と流れ

AI活用を考える前に、まずは基本となる入社手続きの全体像を正確に把握しておくことが重要です。ここでは、内定承諾後から入社日以降までのタスクを時系列に沿ってチェックリスト形式でご紹介します。

1. 内定承諾後〜入社日までのタスク一覧

新入社員がスムーズに入社日を迎えられるよう、事前準備を万全に行いましょう。

  •  [ ] 雇用契約書の作成と締結
  •  [ ] 入社案内(必要書類・入社日の詳細など)の送付
  •  [ ] 新入社員から提出してもらう書類の回収
  •  [ ] 会社の備品(PC、携帯電話、名刺など)の手配
  •  [ ] 社内システムのアカウント発行(メールアドレス、チャットツールなど)
  •  [ ] 社会保険・雇用保険の加入手続き準備  [ ] 社内への周知(配属部署、上長など)

2. 入社日当日に行うこと

入社日当日は、新入社員の不安を和らげ、温かく迎え入れることに注力します。

  •  [ ] 辞令の交付
  •  [ ] 会社規程(就業規則など)の説明
  •  [ ] 未回収の提出書類の確認と回収
  •  [ ] 備品の貸与  [ ] 関係者への紹介・挨拶
  •  [ ] オリエンテーションの実施

3. 入社日以降の手続き

入社後は、法的に定められた手続きを期限内に完了させる必要があります。

  •  [ ] 雇用保険被保険者証の資格取得届の提出(入社翌月10日まで)
  •  [ ] 健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届の提出(入社日から5日以内)
  •  [ ] 住民税の特別徴収への切り替え手続き
  •  [ ] 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書の回収・確認

【テンプレートあり】入社手続きに必要な書類、これだけ揃えればOK!

入社手続きでは、様々な書類のやり取りが発生します。ここでは、会社側が準備する書類と、新入社員に提出を依頼する書類を一覧にまとめました。抜け漏れ防止にご活用ください。

会社が準備する書類

会社から新入社員へ提示・交付する書類です。

書類名概要

内定通知書

採用が決定したことを通知する書類

入社承諾書

内定者が入社を承諾したことを示す書類

労働条件通知書兼雇用契約書

契約期間や賃金、労働時間などの労働条件を明記した、最も重要な書類※書面での交付が義務付けられている

身元保証書

入社後に本人が会社へ損害を与えた場合に、保証人が連帯して賠償責任を負うことを約束する書類

新入社員に提出してもらう書類

新入社員から回収し、社会保険の手続きや給与計算などに使用します。

書類名提出目的

年金手帳

厚生年金保険の加入手続きに必要

雇用保険被保険者証

雇用保険の加入手続きに必要(前職で加入していた場合)

源泉徴収票

年末調整に必要(その年に前職の給与がある場合)

給与所得者の扶養控除等(異動)申告書

所得税の計算に必要

健康保険被扶養者(異動)届

扶養家族を健康保険に加入させる場合に必要

給与振込先の届書

給与を振り込む口座情報を確認するために必要

マイナンバー(個人番号)

社会保険や税金の手続きに必要。本人と扶養家族の分を回収します

要注意:マイナンバーの取り扱いと管理方法

マイナンバーは機密性の高い個人情報です。利用目的を明確に伝え、厳重な管理体制のもとで取り扱う必要があります。 収集時には本人確認を徹底し、保管する際はパスワード付きのファイルや施錠できるキャビネットを使用するなど、漏洩防止策を講じてください。

AIで自動化できる3つの入社手続き業務

基本的な手続きを理解したところで、いよいよAIの出番です。ここでは、ChatGPTのような生成AIを活用して、これまで時間を取られていた3つの業務を劇的に効率化する方法をご紹介します。

1. 新入社員への案内メール作成

新入社員ごとに入社日や提出書類リストを書き換えてメールを作成する作業は、地味ながらも手間がかかります。AIを使えば、必要な情報を伝えるだけで、丁寧で分かりやすい案内メールの草案を数秒で作成できます。 メール作成時間を従来かかっていた平均15分からAIを使えば3分程度に短縮することも可能です。

2. 個人別のタスクリスト(ToDo)作成

複数人の入社手続きが同時に進むと、「誰のどの書類を回収済みか」といった進捗管理が煩雑になりがちです。AIに新入社員の情報と標準的なタスクリストを渡せば、個人ごとの具体的なToDoリストを自動で生成してくれます。 これをスプレッドシートなどに貼り付ければ、抜け漏れのない進捗管理が実現できます。

3. 膨大なマニュアルの要約とQ&A作成

新入社員から就業規則や社内制度について質問を受けるたびに、分厚いマニュアルを読み返すのは非効率です。マニュアルのテキストデータをAIに読み込ませ、「よくある質問とその回答を作成して」と指示するだけで、即席のFAQリストが完成します。 これだけで、問い合わせ対応の時間を大幅に削減できます。

【コピペでOK】今日から使える!ChatGPT入社手続き効率化プロンプト集

AIは難しそうと感じている方も心配は必要ありません。以下のプロンプト(AIへの指示文)をコピー&ペーストして、[ ] の部分を書き換えるだけで、誰でも簡単にAIを活用できます。

プロンプト1. 丁寧で分かりやすい「入社案内メール」を秒速で作る

# 命令書
あなたは、成長企業の人事担当者です。以下の情報を基に、新入社員向けの入社手続き案内メールを作成してください。

# 制約条件
- 丁寧で分かりやすい言葉遣いを徹底してください。
- 新入社員が安心して入社日を迎えられるような、温かみのあるトーンで記述してください。
- 提出書類は箇条書きで示し、提出期限を明記してください。

# 入力情報
- 宛名: [〇〇 〇〇 様]
- 入社日: [2024年〇月〇日]
- 出社時間: [午前9時30分]
- 場所: [本社ビル10階 A会議室]
- 提出が必要な書類:
  - 年金手帳
  - 雇用保険被保険者証
  - 源泉徴収票
  - 給与振込先の届書
- 提出期限: [2024年〇月〇日]
- 問い合わせ先: [人事部 担当者名、電話番号、メールアドレス]

# 出力形式
件名と本文を含む、ビジネスメール形式

プロンプト2. 抜け漏れゼロへ「個人別ToDoリスト」を自動生成する

# 命令書
あなたは、業務効率化を推進する人事のプロフェッショナルです。以下の情報を基に、新入社員の入社手続きを管理するための個人別ToDoリストを生成してください。

# 制約条件
- 各タスクには担当部署と期限を明記してください。
- 管理しやすいように、表形式(マークダウン形式)で出力してください。

# 入力情報
- 新入社員氏名: [〇〇 〇〇]
- 入社日: [2024年〇月〇日]
- 配属部署: [営業部]
- 標準タスクリスト:
  - 雇用契約書締結
  - 書類回収(年金手帳、雇用保険被保険者証)
  - PC・備品手配
  - アカウント発行
  - 社会保険加入手続き

# 出力形式
| タスク名 | 担当部署 | 期限 | 完了チェック |
|:---|:--- |:--- |:--- |
| (ここにタスクが入る) | | | [ ] |

プロンプト3. 社内規定から「よくある質問」をAIに作ってもらう

# 命令書
あなたは、社内規定を熟知した人事の専門家です。以下の就業規則の抜粋テキストを基に、新入社員から寄せられそうな「よくある質問(FAQ)」を5つ作成してください。

# 制約条件
- 質問(Q)と回答(A)の形式で記述してください。
- 専門用語は避け、誰にでも理解できる平易な言葉で回答を作成してください。
- 元のテキストにない情報は含めないでください。

# 入力情報
(ここに就業規則の「休暇」や「勤務時間」に関するテキストを貼り付ける)

# 出力形式
Q1. (質問文)
A1. (回答文)

Q2. (質問文)
A2. (回答文)
...

よくある質問(FAQ)

AIを人事業務に導入するにあたり、多くの方が抱く疑問にお答えします。

Q. 入社手続きのオンライン化、何から始めればいい?

A. まずは書類の電子化から始めるのがおすすめです。

例えば、WordやGoogleドキュメントで作成した入社承諾書や各種届出書をPDF化し、メールで送付・回収する方法が手軽です。最近では、雇用契約の締結から書類管理まで一貫して行えるクラウド型の人事労務システムも増えており、段階的な導入を検討するのも良いでしょう。

Q. AIに個人情報を入力しても大丈夫?注意点は?

A. 原則として、個人情報や企業の機密情報を直接ChatGPTなどの外部AIサービスに入力するのは避けるべきです。

入力したデータがAIの学習に使われる可能性があるためです。今回ご紹介したプロンプトのように、個人名を[〇〇]などの記号に置き換えたり、社内規定を要約させる際は一般化できる部分のみを利用したりするなど、情報の取り扱いには十分注意してください。多くのAIサービスには学習をオフにする設定もあるため、利用前に必ず確認しましょう。

Q. ChatGPTを使ったことがない初心者でもできますか?

A. はい、できます。本記事でご紹介したプロンプトは、コピー&ペーストして少し書き換えるだけで使えるように設計されています。

まずは無料版のChatGPTに登録し、案内メールの作成など、リスクの低い業務から試してみることをお勧めします。小さな成功体験を積むことが、本格的なAI活用への第一歩となります。

まとめ:面倒な手続きはAIに任せ、人にしかできない仕事に集中しよう

本記事では、入社手続きの基本的な流れから、AI(ChatGPT)を活用した具体的な効率化手法までを解説しました。

入社手続きのような定型業務は、ミスが許されない一方で、多くの時間と神経を消耗します。こうした業務をAIに任せることで生まれた時間を、採用戦略の立案や、新入社員との面談、組織文化の醸成といった、”人”にしかできない、より付加価値の高い仕事に振り向けていきましょう。

まずはこの記事で紹介したプロンプトを一つコピーして、定型業務の簡単な自動化から始めてみませんか。

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