【この記事でわかること】
- AI(ChatGPT)を活用して資料作成を劇的に効率化する4つのシーン
- コピペしてすぐ使える、資料作成のための具体的な「神プロンプト」集
- 説明会資料の作成に留まらない、採用業務におけるAI活用の応用テクニック
“イマドキ”の求職者が本当に知りたいこととは?
AI活用の話に入る前に、まずは基本に立ち返りましょう。どれだけ効率的に資料を作成しても、その内容が求職者の心に響かなければ意味がありません。現代の、特にZ世代と呼ばれる若手層が企業選びで何を重視しているのかを理解することが、魅力的な資料作成の第一歩です。
給与や福利厚生より「自己成長できそうか?」を重視
給与や福利厚生などの待遇面は重要な要素の一つです。しかし、多くの調査で、Z世代は自身のキャリアパスや成長機会をより重視する傾向にあることが示されています。彼らが知りたいのは、「この会社に入社したら、どんなスキルが身につき、どのように成長できるのか?」という具体的な未来像です。自社の会社説明会資料は、この「成長実感」への期待に応えられているのかを確認しましょう。
会社説明会で必ず含めるべき5つの構成要素
求職者の期待に応え、自社の魅力を最大限に伝えるために、以下の5つの要素は必ず盛り込むようにしましょう。
1. 私たちの使命(ミッション・ビジョン・バリュー)
何のために存在する会社なのか。社会にどのような価値を提供したいのかを伝えるパートです。共感が、エンゲージメントの第一歩となります。
2. 事業内容と独自の強み(ビジネスモデル)
単なる事業紹介ではなく、「競合と比べて何が違うのか」「なぜこのビジネスが面白いのか」を学生にも分かる言葉で語ります。
3. 具体的な仕事内容とキャリアパス(成長の約束)
最も重要なパートです。入社1年目、3年目、5年目でどのような仕事をし、どんなスキルが身につくのか。具体的な社員のキャリア例を交えて紹介すると効果的です。
4. 働く仲間とカルチャー(社風・文化)
どんな人たちが、どのような雰囲気で働いているのか。社員インタビューや一日のスケジュール、社内イベントの紹介などを通じて、働くイメージを具体化させます。
5. 募集要項と選考プロセス(未来への入口)
必要な情報を分かりやすく提示します。次のステップが明確になることで、候補者は安心して選考に進むことができます。
【要注意】オンライン説明会でやりがちなNG構成
オンライン説明会は手軽に参加できる反面、参加者の集中力が途切れやすいというデメリットがあります。一方的に情報を詰め込むだけの構成は、離脱の大きな原因になります。
- NG例:会社概要や沿革から始まり、40分間ずっと担当者が話し続ける。
- 改善策:冒頭で「この説明会で何が得られるか」を明確に伝え、チャットやQ&A機能を活用して双方向のコミュニケーションを意識した構成にしましょう。
AIで会社説明会資料の作成はここまで“楽”になる
それでは、本題のAI活用です。ChatGPTのような生成AIツールを使うことで、構成要素を考える時間と、それを資料に落とし込む作業時間を大幅に短縮できます。会社説明会資料作成において、AIでどんなことができるのかを紹介します。
1. 面倒な「構成案」の壁打ち相手になる
「何から手をつければ…」と悩む構成案の作成。AIは、優秀なブレーンストーミングの相手になります。自社の情報やターゲット学生の情報を与えるだけで、論理的な構成案のたたき台を瞬時に複数提案してくれます。
2. 魅力的な「キャッチコピー」を10秒で10個作る
説明会のタイトルや、各スライドの冒頭で使うキャッチコピーは、参加者の心を掴む重要な要素です。「成長を加速させる、君のネクストステージがここに。」のような、ターゲットに響くコピーのアイデア出しをAIに任せれば、もう頭を悩ませる必要はありません。
3. 各スライドの「台本・原稿」を自動で書き出す
構成案が決まれば、次は各スライドで話す内容です。AIに「『事業内容』のスライドで、IT知識のない学生にも分かりやすく説明する原稿を300字で書いて」と指示するだけで、平易で分かりやすい文章を生成してくれます。当社の採用担当も、この機能を活用し説明会の準備工数を平均6時間から1.5時間に短縮できた実績があります。
4. パワポやスライドの「デザイン案」まで提案してくれる
最近のAIツールの中には、文章だけでなくプレゼンテーション資料のデザインまで自動生成してくれるものが登場しています。「Gamma」や「Tome」といったAIプレゼンツールを使えば、キーワードや簡単な指示を入力するだけで、デザイン性の高いスライドが自動で完成します。
【コピペOK】ChatGPTですぐに使える!資料作成“神”プロンプト集
「理屈は分かったけれど、具体的にどう使えばいいの?」という疑問にお答えします。ここでは、ChatGPT(GPT-5で動作検証済み)で今すぐ使える、コピペOKのプロンプト(指示文)をご紹介します。
基本プロンプト:まずは説明会の骨子(構成案)を作らせる
ゼロから考える手間を省き、議論のたたき台を一瞬で手に入れましょう。
# 命令書 あなたは、BtoB SaaS企業の人事担当者です。以下の制約条件と入力情報をもとに、新卒採用向けの会社説明会資料の構成案を、スライドタイトル形式で提案してください。 # 制約条件 ・ターゲットはIT業界に興味を持つ、主体性と成長意欲の高い大学3年生です。 ・説明会の時間は全体で45分とします。 ・参加者が「この会社で成長できそう」と感じられるような、キャリアパスや成長機会の魅力が伝わる構成にしてください。 ・各スライドアジェンダの想定時間も記載してください。 # 入力情報 ・会社名:株式会社プロナビ ・事業内容:人事領域に特化したAI活用支援SaaS「ProNavi」の開発・提供 ・企業理念:プロフェッショナルのAI活用をナビゲートし、日本の生産性を革新する ・求める人物像:自ら課題を発見し、テクノロジーの力で解決策を考えられる人材
応用プロンプト1:ペルソナに響く「コンセプト」を考えてもらう
説明会全体を貫く、魅力的なコンセプトをAIに考案させます。
# 命令書 あなたは、優秀なコピーライターです。以下の会社説明会のターゲットペルソナに最も響くような、説明会全体のコンセプト案を5つ提案してください。コンセプトは、キャッチーで覚えやすく、参加意欲を掻き立てるものにしてください。 # ターゲットペルソナ ・IT業界でのキャリアに関心がある、都内の難関大学に通う大学3年生。 ・安定志向より成長志向が強い。 ・単なる作業者ではなく、自ら事業やサービスを創り出す側になりたいと考えている。 ・就職活動において「自己成長」と「社会への貢献実感」を重視している。
応用プロンプト2:各スライドの「トークスクリプト」を生成する
話す内容に困ったら、AIに台本を書いてもらいましょう。
# 命令書 あなたは、株式会社プロナビの人事担当者です。以下のスライド内容について、会社説明会で話すためのトークスクリプト(台本)を作成してください。 # 制約条件 ・話すスピードは標準的とし、約2分(600文字程度)で話せる量にしてください。 ・専門用語は避け、学生にも理解しやすい平易な言葉で説明してください。 ・一方的な説明ではなく、学生に語りかけるような、親しみやすい口調でお願いします。 # スライド内容 ・タイトル:入社後のキャリアパスと成長環境 ・伝えたいこと: - 入社1年目から裁量権のある仕事に挑戦できること - 年次に関わらず、良い提案は採用される文化があること - 具体的なキャリア例として、新卒3年目で新規事業のリーダーになった社員がいること
応用プロンプト3:学生からの「想定質問と回答」を予測させる
Q&A対策もAIに任せれば万全です。学生が抱きそうな疑問を先回りして準備できます。
# 命令書 あなたは、鋭い視点を持つ就職活動中の学生です。以下の企業情報をもとに、会社説明会のQ&Aセッションで出そうな質問を10個、難易度が高いものから順に挙げてください。また、それぞれの質問に対して、人事担当者として誠実かつ魅力的に回答する際の模範解答も作成してください。 # 企業情報 ・事業内容:急成長中のBtoB SaaSベンチャー ・特徴:平均年齢28歳と若く、実力主義の社風 ・アピールポイント:ストックオプション制度、フルリモート・フルフレックス勤務可能 ・懸念点:創業5年目で、まだ大企業ほどの福利厚生は整っていない
資料作成だけじゃない!AI活用のネクストステップ
会社説明会資料の作成でAIを使いこなせるようになったら、その活用範囲をさらに広げてみましょう。
1. AIで「説明会動画のシナリオ」を作成する
作成したトークスクリプトをもとに、オンデマンド配信用動画のシナリオを作成できます。「より視覚的に、テロップを入れることを意識した構成にして」と指示すれば、動画向きの構成にリライトしてくれます。
2. 説明会後の「お礼メール」や「アンケート」も一瞬で作成
説明会参加者へのフォローアップもAIで自動化できます。「説明会の内容を要約し、参加への感謝と次のステップを伝えるお礼メールの文面を作成して」と指示すれば、数秒でパーソナライズされた文面が完成します。
3. 作成した資料を「求人票」や「スカウト文面」に使いまわす裏技
説明会資料は、自社の魅力を凝縮したコンテンツの宝庫です。資料作成で使った文章やコンセプトを、AIに「求人票の仕事内容の欄に合うように書き換えて」「この会社の魅力が伝わるスカウトメールの文面にして」と指示することで、採用活動全体のコンテンツを一貫性のある、より魅力的なものへと昇華させることができます。
まとめ
AIによる資料作成は、もはや未来の話ではありません。今回ご紹介したように、AIはあなたの指示を忠実に実行し、面倒な作業を肩代わりしてくれる、極めて優秀な“アシスタント”です。
まずは、本記事で紹介したプロンプトをコピペすることからAI資料作成を始めてみませんか。AIは、あなたの仕事を奪うものではなく、あなたがより創造的で本質的な業務に集中するための時間を作り出してくれる心強いパートナーになってくれるはずです。