株式会社Michibiku Group
登壇者:代表取締役 高澤 皆生 氏
「人でなくてもできる」採用業務をAIで完全自動化
AIネイティブ世代である現役大学生起業家の高澤氏が率いるMichibiku Groupは、採用業務の中でも特に非効率さが目立つ「ノンコア業務」に着目。人事が数十時間〜数百時間かけているスカウト業務を、AIが工数ゼロで圧倒的ハイクオリティに運用する「マッハスカウト」をはじめ、候補者管理や日程調整を自動化する「マッハ事務」、AIが面接を代わりに行う「面接官AI」といったサービスを展開しています。
高澤氏は「人事の方々が本当に取り組むべきコア業務に集中できる環境を創りたい」と語り、AIによって採用の質とスピードを両立させる未来像を提示しました。
公式サイト: https://michibikugroup.co.jp/
株式会社LayerX
登壇者:執行役員 霜村 栄作 氏
「バクラク」シリーズでバックオフィスから全社の生産性を向上
「すべての経済活動を、デジタル化する。」をミッションに掲げるLayerX。シリーズBで154億円の大型資金調達を発表した同社が新たに注力するのが、人事労務領域です。霜村氏は、シリーズ累計15,000社以上の導入実績を誇る「バクラク」ファミリーの最新サービス「バクラク勤怠」を紹介しました。
従業員が自然に適切な打刻を行えるUI/UXと、リモートやフルフレックスなど多様な働き方への対応力を強みとしています。今後は工数管理や給与計算サービスもリリース予定で、バックオフィス業務全体のDXを力強く推進していく姿勢を示しました。
公式サイト: https://layerx.co.jp/
MNTSQ株式会社
登壇者:CLM事業本部 本部長 北野 貴之 氏
法務の知見をインストールしたAIが、契約業務のボトルネックを解消
契約業務に費やされる時間は、ビジネスの停滞に直結する。という根深い課題に対し、MNTSQは「ビジネスの高速化」と「ガバナンス強化」の両立をAIで実現しています。同社の「MNTSQ AI契約アシスタント」には、大企業向けCLM(契約ライフサイクル管理)システムで培った企業の法務知見がインストールされています。
事業部門からの一次的な相談にAIが対応し、リスクの高い案件のみを法務部門へエスカレーションする仕組みを構築しました。「契約交渉までの待ち時間をゼロにする」という強力な価値提供で、全社の契約DXを加速させています。
公式サイト: https://mntsq.co.jp/
株式会社コテラス
登壇者:代表取締役 山永 航太 氏
マネージャーに寄り添うAIエージェント「Myles」が人的資本経営を現場で実現
「失われた30年」を人的資本経営の力で取り戻したい、と熱く語る山永氏。同社が開発するAIエージェント「Myles.(マイルズ)」は、SlackやTeamsに常駐し、マネージャーの業務を日々サポートします。「HRツールは現場で使われてこそ意味がある」という思想のもと、評価や1on1のサポート、従業員のエンゲージメント向上まで、複雑で属人化しがちなピープルマネジメント業務をAIが支援。
データ準備不要で導入できる手軽さと、事業貢献に直結する機能群で、現場起点の組織変革を目指しています。
公式サイト: https://coterrace.jp/
株式会社Another works
登壇者:取締役CDO Sagwan Kim 氏
専門人材のシェアリングで「CAIO」機能をすべての企業に
日本のAI活用が世界に遅れを取る中、その処方箋として株式会社Another worksが提唱するのがCAIO(Chief AI Officer)の設置です。しかし、高度な専門性を持つCAIOをフルタイムで雇用するのは容易ではありません。そこで同社は、10万人規模の人材データベースを活用し、必要な時に必要なだけAIのプロフェッショナル人材を活用できる「複業クラウド CAIO」を提供。
世界的企業出身のAI専門家などが、アドバイスに留まらず実務まで伴走支援することで、企業のAI戦略不在や人材不足といった課題を包括的に解決し、AIの内製化を強力に後押しします。
公式サイト: https://anotherworks.co.jp/
株式会社Sales Marker
登壇者:代表取締役CEO 小笠原 羽恭 氏
リサーチから資料生成までを瞬時に行うAI「Orcha(オルカ)」
月平均20時間ともいわれるビジネスパーソンの資料作成負担。この時間を解放するのが、マルチAIエージェント「Orcha(オルカ)」です。市場調査からターゲットのインサイト分析、さらには企業のフォーマットに合わせたスライド資料の自動生成までをシームレスに実行します。「AIを巧みに指揮(Orchestration)する」というコンセプトの通り、GPTやClaudeなど常に最適なLLMを自動選択する独自のパイプライン技術がその精度を支えています。
セールス領域のみならず、マーケティング・人材領域などのあらゆるコンテンツ制作を自動化し、人がより創造的な業務に専念できる未来を創造しています。
公式サイト: https://corp.sales-marker.jp/
株式会社TATEITO
登壇者:代表取締役CEO 平野 考宏 氏
動画ナレッジPF「RUUUN」で自ら学び合う学習文化を組織に醸成
「AIの進化に、組織はついていけていますか?」と問いかけた平野氏。AIをはじめ新たな仕組みや取り組みを組織に浸透させるのに研修やOJTのような既存の教育では追いつかないと言及。同社が提供する動画ナレッジプラットフォーム「RUUUN(ラーン)」は、社員が自らナレッジを動画で共有し、学び合う文化を創出しています。
自社のナレッジを動画で資産化、浸透、循環させることで動画で学び合うことが習慣化されている顧客事例も紹介。AIによる自動編集機能なども搭載し、動画×独自のメソッド×テクノロジーの力で組織全体の成長を加速させます。
公式サイト: https://tateito.co.jp/
株式会社PantaRhei
登壇者:代表取締役 田中 一馬 氏
AIエージェントが未知の優良企業を発掘する「oarth」
従来の企業検索は、絞り込み条件が画一的で、本当に探したい企業に辿り着けないケースが多くみうけられました。PantaRheiが開発する企業検索AIエージェント「oarth(オアース)」は、この常識を覆します。「製薬技術で特筆すべきシーズを持つスタートアップ」といった自然言語での検索に対し、AIがプレスリリースや求人情報などを横断的に解析し、推論を働かせて最適な企業リストを提示。
売上高や業種といった定量情報だけでは見つけられなかった、未知の優良企業との出会いを創出しています。
公式サイト: https://www.pantarhei.co.jp/
株式会社CourseVALU
登壇者:代表取締役 松本 和寅 氏
「キャリア教育のNetflix」で日本の大学生の可能性を解放する
テスラの黎明期を経験し、「このままでは日本が没落する」という強烈な原体験を持つ松本氏。その課題意識の根幹にあるのは、自信を持てないままキャリアを選択する日本の大学生の姿でした。同社は、大学生のキャリア教育に焦点を当て、AIを活用した「一人ひとりにパーソナライズされたキャリア教育」の実現を目指しています。
目指すは「キャリア教育のNetflix」。これまで数多くの大手企業や優良企業と連携して企画・運営してきた質の高いそして”おもろい”キャリア教育コンテンツを、一人ひとりに最適な形で届け、日本の未来を担う若者の可能性を最大化していく狙いです。
公式サイト: https://coursevalu.com/
イベント後援 一般社団法人人的資本経営推進協会
登壇者:事務局長 山永 航太 氏(株式会社コテラス 代表取締役)
日本の未来を「人的資本経営」の力で切り拓く
株式会社コテラスのピッチに続き、同社代表の山永氏が事務局長を務める後援団体として登壇。労働人口の減少、国際競争力の低下、そして世界最低水準の従業員エンゲージメントといった日本の厳しい現状に警鐘を鳴らしました。協会はこれらの課題に対し、「人的資本経営」の浸透と実践を推進するために2022年に設立。
CHRO(最高人事責任者)ら30社が集い、実践的な議論を交わす共創型コミュニティ「ARCH(アーチ)」の運営やサミット開催を通じて、日本の組織が持つポテンシャルを最大限に引き出すための活動を展開している。人的資本経営の実戦について青くさく議論をしたい方は、ぜひ一緒に活動してほしいと、参加を呼びかけました。
公式サイト: https://hc-m.org/ (応募はこちら)
おわりに
今回のピッチセッションでは、各社がAIを活用し、これまでの「当たり前」を根本から覆すことで、各領域における非効率性や課題解決に取り組む姿勢が明確になりました。
AIが単なる業務効率化ツールに留まらず、組織のあり方、個人の働き方、さらにはキャリアそのものを再定義する強力な推進力であることを改めて認識できる、示唆に富んだセッションでした。