1. 何が発表されたのか
OpenAIは2026年9月8日(米国時間)、公式ページで新しい画像生成モデル「ChatGPT Images 2.5」を発表しました。公式発表では、ChatGPTでは毎週30億枚以上の画像がChatGPT Images機能とAPI経由のGPT-Imageモデルを通じて作られている、という利用規模の数字も示されています。
発表によると、ChatGPT Images 2.5は「ChatGPT・ChatGPT Work・Codexの全ティア」に、デスクトップ・モバイル・ウェブを通じて展開が始まっています。公式発表の原文は「across all tiers」という表現で、プラン名を個別に列挙したものではありませんが、「全ティア」という書き方から、無料プランを含む既存のすべてのプランに展開されると読むのが妥当です。追加の申し込みや契約変更なしに、今使っているChatGPTの画面でそのまま使える機能アップデートという位置づけです。
なお、本記事作成時点でOpenAI公式ページ(openai.com/index/introducing-chatgpt-images-2-5/)への直接アクセスは403エラーとなり閲覧できなかったため、Wayback Machine(インターネットアーカイブ)に保存された2026年9月14日時点のアーカイブページで本文を確認しています。内容そのものはOpenAIが自ら公開した一次情報です。
2. 何が変わったのか ― 性能の向上と4つの新機能

公式発表では、モデルとしての性能向上と、ChatGPT上で使える新しい操作方法の両方が説明されています。順番に見ていきます。
画像そのものの質が上がった
公式発表によると、Images 2.5は前のバージョンと比べて、より自然な光の表現や質感の再現ができるようになり、参考写真に写っている人物や被写体をより認識しやすい形で保ちながら画像を作れるとされています。また、複数回にわたって編集を重ねても、最初の指示内容や以前の編集結果が崩れにくくなった点も挙げられています。さらに、透明な背景を含む複雑なレイアウトの理解や、指示された内容をより忠実に反映する力も向上したとしています。
速度面では、公式発表に「Images 2.0と比べて画像生成の待ち時間を最大50%削減した」という記載があります。この「最大50%」という数字はOpenAI自身が公表した値です。ただし「最大」という表現である以上、すべての生成が一律で半分の時間になるわけではない点には注意してください。
Sketch ― 手描きの下絵を仕上げてもらう
新機能の1つが「Sketch」です。ChatGPT上で自分の手描きの絵をそのまま描き、それを最終的な画像の下敷き(参考)として使える機能です。公式発表では「部屋のレイアウトの下描き」「考え中の服のシルエット」といった例が挙げられており、絵心がなくても、ラフなスケッチに文章で説明を加えることで、意図に近い画像に仕上げられるとされています。使い方は、ChatGPT上で「@Sketch」と入力して呼び出す形です。
「言葉で説明しづらいレイアウトやイメージ」を伝えるための手段として位置づけられており、文章だけでのやり取りでは伝わりにくかった意図を、絵で補えるようになった点が特徴です。
テンプレート ― 定型フォーマットの叩き台
もう1つの新機能が「テンプレート」です。ポスターやグッズなど、よく使われる画像フォーマットのひな形が用意されており、白紙から作り始める代わりに、テンプレートを選んで、伝えたい情報やデザイン要素、スタイルなどの詳細を書き加えていく形で画像を作れます。
コメントによる部分編集とプロンプトの共有
このほか、画像の上に直接コメントを置いて、その部分だけをピンポイントで直す編集機能も加わりました。全体を作り直すのではなく、狙った箇所だけを修正できる点は、実務で細かい手直しを繰り返す場面に向いています。また、気に入った画像ができたときに、その画像を作るのに使ったプロンプト(指示文)を一緒に共有できる機能も追加されており、他の人が同じアイデアをベースに、自分の写真や情報を使って似た画像を作れるようになっています。
3. 中小企業の実務にどう使えるか

ここまでの機能を踏まえて、中小企業の日常業務でどう使えそうかを整理します。あくまで公式発表で説明されている機能にもとづく活用イメージであり、実際の業務での効果は自社で試して確かめる必要があります。
- チラシ・POP・SNS投稿画像の叩き台づくり: テンプレート機能を使えば、ポスターなど定型フォーマットのたたき台をゼロから作らずに用意でき、そこに自社の商品情報やキャッチコピーを流し込んでいく形で作業できます。デザインソフトの操作に慣れていない担当者でも、文章と簡単な指示だけで見た目のある画像に近づけられます。
- 「言葉で説明しにくいレイアウト」をSketchで伝える: 「ここに商品写真、その下に価格、右上にロゴスペース」といったレイアウトの意図は、文章だけで正確に伝えるのが意外と難しいものです。Sketchを使えば、手描きのラフな配置図を描いてそのまま下敷きにできるため、担当者の頭の中にあるイメージを直接反映しやすくなります。
- 商品モックアップやSNS用ビジュアルの試作: 新商品の見せ方や、SNS投稿用のビジュアル案をいくつも試したいとき、参考写真をもとにした編集の精度が上がったことで、被写体(商品や人物)の特徴を保ったまま背景やスタイルだけを変える、といった試作がしやすくなっています。
- 部分修正のコメント機能で手直しの手間を減らす: 「ロゴの位置だけ直したい」「価格の数字だけ変えたい」といった細かい修正を、画像全体を作り直さずにピンポイントで指示できる点は、何度も手直しが発生しやすい販促物づくりの実務に合っています。
一方で、生成された画像に含まれる文字情報(価格、日付、社名表記など)は、AIが誤って生成する可能性がゼロではありません。実際に配布・掲載する前には、人の目で数字や文言を必ず確認する運用にすることをおすすめします。
4. 料金の実際 ― ChatGPT経由とAPI経由を分けて確認する

料金まわりは誤解が生じやすいポイントなので、ChatGPT経由の利用とAPI経由の利用を分けて確認します。
ChatGPT経由 ― 既存プランに含まれる機能アップデート
公式発表では「Images 2.5は今日から、ChatGPT・ChatGPT Work・Codexの全ティアに、デスクトップ・モバイル・ウェブを通じて展開される」とされています。これは新しい有料オプションではなく、既存のプランにそのまま含まれる機能アップデートという位置づけです。つまり、追加の課金や契約変更をしなくても、今ChatGPTを使っている環境でそのまま使える、ということです。
ただし、無料プランでの1日あたりの生成回数の上限や、有料プランとの間で生成回数・画質に差があるかどうかについては、公式発表の本文に具体的な記載はありませんでした。このあたりは実際にChatGPTの画面上で確認する必要があり、本記事の時点では「未確認」です。
API経由 ― 新モデル2種類、価格はgpt-image-2と同水準
開発者向けには、APIで使える新しいモデルが2種類公開されました。
- GPT-Image-2.5 Flare: 品質・編集精度・速度の改善をそのまま引き継いだモデルで、公式発表では「ほとんどの用途向けの標準(default)の選択肢」とされ、GPT-Image-2と比べて画質を上げながら待ち時間を50%短縮しているとしています。
- GPT-Image-2.5 Sunburst: 編集の精密さを重視した、より高度な用途向けのモデルで、生成にかかる時間はFlareより長くなるとされています。
料金については、OpenAI Developer Platformの価格表ページ(developers.openai.com/api/docs/pricing)で直接確認したところ、GPT-Image-2.5 Flare・GPT-Image-2.5 Sunburstの両モデルとも、画像トークンの価格は次の通りでした(標準料金、1トークンあたりではなく100万トークンあたりの金額)。
| 項目 | 価格(100万トークンあたり) |
|---|---|
| 画像入力トークン | 8ドル |
| 画像キャッシュ入力トークン | 2ドル |
| 画像出力トークン | 30ドル |
この金額は、旧モデルのGPT-Image-2とまったく同じ単価です。つまり、API料金の「単価」自体は据え置きで、そのうえで画質や速度が改善された、という形になっています。ただし、1回の生成で実際に消費されるトークン数(コスト)がモデルによって変わる可能性はあるため、正確な実費を知りたい場合は、公式の料金計算ツール(画像生成ガイド内の計算機)で試算することをおすすめします。
5. 使い始める前に知っておくこと
導入・活用を検討する前に、公式情報で確認できた範囲の注意点を整理します。
生成回数の上限は公式に明記なし: 前述の通り、無料プランでの1日あたりの生成回数上限や、プランごとの差については、公式発表の本文に具体的な記載がありませんでした。実務で頻繁に使う予定がある場合は、ChatGPTの画面上の案内や設定画面で実際の上限を確認してください。
生成物にはC2PAメタデータと電子透かしが付与される: 公式発表では、これまでと同様にC2PAメタデータと目に見えない電子透かしを使い、自社のツールで作られた画像を識別できるようにしている、とされています。生成した画像だからといって特別な表示義務が生じるわけではありませんが、AIで作った画像であることを取引先や顧客に伝える必要がある場面では、社内でルールを決めておくと安心です。
参考写真を使う場合は権利関係に注意: Sketchや参考写真をもとにした編集は便利な一方、他者が権利を持つ写真やイラストを無断で参考素材に使うと、著作権・肖像権の問題につながる可能性があります。自社で権利を持つ素材や、本人の許諾を得た写真を使うようにしてください。
生成された文字情報は必ず人が確認する: 前述の通り、画像内の価格・日付・社名などの文字は誤って生成される可能性があります。配布・掲載前に必ず目視で確認する運用にしてください。
料金体系や提供条件、生成回数の上限は今後変わる可能性があります。導入を検討する際は、必ず公式サイトと公式ドキュメントで最新情報を確認してください。
6. 中小企業はいま何をすべきか
こうした状況を踏まえると、まず取り組むべきことは次の3つに整理できます。
(1) 追加契約なしでまず触ってみる
ChatGPT経由の利用は、既存のプランに含まれる機能アップデートです。すでにChatGPTを契約している場合は、追加の申し込みをせずにそのまま新しい機能を試せます。まずは自社のチラシやSNS投稿など、実際に使っている画像素材を題材に、Sketchやテンプレート機能を触ってみるのが手早い確認方法です。
(2) 「言葉で説明しにくい」制作物から試す
いきなり複雑なデザインを任せるのではなく、まずはレイアウトの意図を言葉で伝えるのが難しかった制作物から試すのが現実的です。手描きのラフ案があるものや、定型フォーマットに近いポスター・グッズ系のデザインは、Sketchやテンプレート機能の効果を実感しやすい領域です。
(3) 生成物の確認・権利まわりの社内ルールを決めておく
画像内の文字情報を配布前に必ず人が確認する、参考素材として使ってよい写真・イラストの範囲を決めておく、といった社内ルールをあらかじめ整えておくことをおすすめします。特に対外的に配布・掲載するチラシや広告物については、公開前のダブルチェック体制を作っておくと安心です。
7. まとめ
- OpenAIは2026年9月8日、新しい画像生成モデル「ChatGPT Images 2.5」を発表し、ChatGPT・ChatGPT Work・Codexの全ティアに、デスクトップ・モバイル・ウェブで展開を始めました
- 手描きの下絵を下敷きにできる「Sketch」、ポスターやグッズなど定型フォーマットの「テンプレート」、画像上にコメントを置いて部分だけ直す編集機能が加わり、生成速度もImages 2.0比で最大50%短縮されたと公式が発表しています
- ChatGPT経由の利用は既存プランに含まれる機能アップデートで、追加課金は不要です。ただし無料プランでの生成回数上限などの詳細は公式発表に明記がなく、実際の画面で確認する必要があります
- APIでは新モデル「GPT-Image-2.5 Flare」「GPT-Image-2.5 Sunburst」が公開され、画像トークンの単価は旧モデルのGPT-Image-2と同じ水準(出力100万トークンあたり30ドルなど)であることを公式の価格表で確認できました
- 生成物の文字情報の確認、参考素材の権利関係、AI生成であることの社内ルールを整えたうえで、まずは追加契約なしで自社の販促物づくりに小さく試してみるのが現実的です
料金体系や提供条件、生成回数の上限は今後変わる可能性があります。導入を検討する際は、必ず公式サイトと公式ドキュメントで最新情報を確認してください。
出典・参考
本記事は、2026年9月8日のChatGPT Images 2.5発表をもとに、OpenAI公式ページおよび公式APIドキュメントの内容を中心にまとめたものです。制度・価格・提供条件は変更される場合があるため、最新情報は公式サイトでご確認ください。
- Introducing ChatGPT Images 2.5|OpenAI公式(2026年9月8日)https://openai.com/index/introducing-chatgpt-images-2-5/(本記事作成時点で直接アクセスは403エラーのため、Wayback Machineの2026年9月14日アーカイブ https://web.archive.org/web/20260914121906/https://openai.com/index/introducing-chatgpt-images-2-5/ で内容を確認)
- Pricing|OpenAI Developer Platform(画像生成モデルの価格表) https://developers.openai.com/api/docs/pricing
- Introducing GPT Images 2.5 in the API and ChatGPT|OpenAI Developer Community(公式アナウンス本文の転載および開発者の反応) https://community.openai.com/t/introducing-gpt-images-2-5-in-the-api-and-chatgpt/1395897
※ 無料プランを含む「全ティアへの展開」は公式発表の「across all tiers」という表現にもとづく記載です。プラン名を個別に列挙したものではないため、無料プランでの生成回数上限など詳細は公式発表に明記がなく、本記事では「未確認」として扱っています。
※ API料金(画像トークン: 入力8ドル/キャッシュ入力2ドル/出力30ドル、いずれも100万トークンあたり)は、OpenAI Developer Platformの価格表ページで直接確認した数値です。実際の生成1回あたりのコストは消費トークン数によって変わるため、正確な試算には公式の料金計算ツールの利用を推奨します。

